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ロベナコキシブ Robenacoxib

成分説明
ロベナコキシブは、2011年に動物用医薬品として新しく承認された非ステロイド系消炎鎮痛薬(NSAIDs)です。体内で痛みや炎症の原因と発生に関わっている物質を作り出すシクロオキシゲナーゼ(COX)という酵素の働きを阻害することによる、炎症や炎症に伴う痛みを緩和する作用があります。

ロベナコキシブの属するコキシブ系のNSAIDsは、COXの中でもCOX-2という酵素の働きを選択的に阻害する選択性COX-2阻害薬です。このCOX-2は損傷を受けた組織において痛みや炎症を誘発する化学物質の生成を触媒している酵素となるため、その働きの阻害は炎症部位における症状の鎮静や痛みの緩和などの効果をもたらします。また、選択性COX-2阻害薬の中でもCOX-2に対する選択性が非常に高く、胃粘膜の保護や腎臓の血流循環の維持といった生体の恒常性の維持に関わっているCOX-1への作用がほとんどないことから、従来の非選択性COX阻害薬の使用においてよく見られ、問題視されていた胃腸への影響が少ないとされています。

さらにロベナコキシブは、経口投与後に速やかに炎症を引き起こしている組織へと移行し、炎症組織の産生する浸出液に長時間滞在して効果を発揮するという、ほかのNSAIDsとは異なる薬動態を有しています。この独特の薬理動態により、薬効果成分の血中内残留による副作用の発現が抑えられるうえ、その効果が炎症部位において長時間継続することが最大の特長で、ほかのNSAIDsの使用が懸念されているネコにおいても安心して使用することができます。

成分分類
非ステロイド系消炎鎮痛薬

適応
消炎鎮痛

副作用
手術時に切開した部位からの出血、手術時に切開した部位の感染症、元気喪失、嘔吐、食欲減退

注意事項
ほかの非ステロイド系消炎鎮痛薬(NSAIDs)やステロイド剤との併用はしないでください。また、ほかのNSAIDsやステロイド剤への使用から、あるいは使用へと変更する場合には、充分な期間をおいて行なうようにしてください。