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狂犬病
狂犬病はラブドウイルス科リッサウイルス属の狂犬病ウイルスを病原体とするウイルス性の人獣共通感染症で、ウイルスの体内への侵入により、けいれんなどの重い症状を起こし、ほぼ100%の確率で死に至る疾患です。日本では1957年以降、国内での感染は認められていませんが、一部の国を除き現在でも世界中に存在しています。
■詳細
狂犬病ウイルスは犬に限らず、ウイルスを保有する猫やコウモリなどの野生動物に咬まれたり、引っ掻かれたりしてできた傷口から侵入するほか、これらの動物に傷口や目・唇など粘膜部を舐められた場合も危険性が高くなります。
感染後は神経系を伝わって脳に到達し、発病した場合はほぼ確実に死に至ります。ところがウイルスの進む速度は遅いため、発病するかどうかは咬まれた傷口の位置、大きさやウイルスの量で大きく異なり、その潜伏期間は20-60日程度と言われています。
【主な症状】
・発熱
・頭痛
・全身の倦怠感
・嘔吐
・落ち着きのなさ
・興奮
・筋肉のけいれん
■対処法
あいにく現在のところ狂犬病発症後の治療薬は存在せず、また狂犬病を発症し、狂犬病ウイルスが脳内で増殖した後でなければ陽性反応が出ないため、狂犬病にかかっているかどうかは受傷直後や潜伏期間中に診断することができません。ですから狂犬病が疑われる動物に咬まれた場合は、その直後から連続してワクチンを接種する暴露後ワクチン接種により発症を抑えることが必要です。
■その他
狂犬病はワクチンでほぼ確実に予防できる病気です。一旦感染してしまうとワクチンによる予防効果はないため、子犬のときから定期的なワクチン接種をするように心がけることが非常に大切です。
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