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創傷(開放性創傷)

ケンカや手術、事故といった、何らかの外的な力によって引き起こされる皮膚や皮下組織、そして粘膜の損傷のことです。


■詳細
外部からの物理的な力によって引き起こされる組織の損傷をまとめて創傷と呼びます。創傷には切傷、擦過傷、刺傷、割傷、裂傷、挫傷といった皮膚の断裂を伴う開放性創傷(創)と、熱傷、凍傷、打撲、捻挫、骨折皮膚の断裂を伴わない深部組織や臓器の損傷である非開放性創傷(傷)とがありますが、通常はケンカや鋭利な工具への接触、事故などによる開放性創傷を指すのが一般的です。

開放性創傷のほとんどは軽症のものが多く、適切な処置によって治癒します。しかし処置が遅れた場合は傷口から感染症が起こり、破傷風、蜂巣織炎、壊死性皮下感染症、壊疽、ガス壊疽といった深刻な症状に進行することもあり、感染組織、時には周囲の組織の除去が必要となることもあります。

■対処法
従来の開放性創傷の治療は、感染症の発症を避けるために傷口を消毒し、乾燥したガーゼで覆う療法が中心となっていました。しかし近年になって、傷口から分泌される浸出液には組織の修復、再生を促進する作用があることが解明されています。

また消毒液は傷口の細菌細胞のみでなく、生体に本来備わっている免疫細胞や修復細胞といった有益な細胞まで死滅させてしまい、逆に治癒を遅らせる可能性が高いため、現在の開放性創傷の治療では傷口を洗浄するのみで消毒はせず、創傷被覆材(ドレッシング材)で覆う湿潤療法が適用されるようになっています。

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