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カラムナリス病(鰓(えら)病、尾ぐされ病、口ぐされ病)
水槽の常在菌であるフレキシバクター・カラムナリス菌が原因となり、感染部位の組織が破壊されていく疾患です。感染部位により、えら病、尾ぐされ病、口ぐされ病などと呼ばれることもあり、淡水魚の細菌性感染症の中でも比較的よく見られる病気のひとつとして挙げられています。初期段階で適切な治療が行なわれれば完治させることが可能ですが、放置された場合には衰弱死につながります。
■詳細
カラムナリス病は、魚のえらや鰭(ヒレ)、そして口唇などにできた傷口に、水槽や飼育池中の常在菌であるフレキシバスター・カラムナリス菌が感染することで発症します。フレキシバスター・カラムナリス菌は感染部に黄白色の綿のようなコロニーを形成し、強力なたんぱく分解酵素を産生して感染部の組織の溶解や壊死を引き起こします。また感染する部位によってその症状が異なる様相であらわれることから、感染部位に基づいて尾ぐされ病、口ぐされ病、えらぐされ病といった別称で呼ばれることもあります。
尾ぐされ病はフレキシバスター・カラムナリス菌が、尾びれをはじめとした各鰭に感染した状態です。感染した鰭にカビのような黄白色の付着物が見られるようになり、徐々に白く裂けてゆきます。最終的には鰭膜がすべて解けてしまい、鰭条骨のみが扇の骨組みのようになって残るようになります。
口ぐされ病はフレキシバスター・カラムナリス菌が口に感染したもので、口の周りに黄白色の付着物があらわれ、口周辺やほほが徐々に白くなっていきます。最終的には口が崩れてボロボロになってしまうため、エサを食べることができなくなり、衰弱死します。
えらぐされ病はフレキシバスター・カラムナリス菌がえらに感染した状態です。黄白色の付着物がえらに見られるようになり、水面近くで呼吸するようになります。症状が進行するにつれてえらが赤黒く腫れ、腐ったようになります。また機能が低下するためえらフタの開閉速度が速くなったり、水面での鼻上げが見られるようになります。
フレキシバクター・カラムナリス菌は感染力が強く、症状の進行が早いため、早期発見と早期治療が重要です。
■対処法
まず発症した魚を隔離し、飼育水槽、石、アクセサリーの洗浄、そして水の交換を行ないます。
また発症した魚に対しては、「塩+抗菌剤」の薬浴が通常行なわれます。初期の頃であれば0.5%の塩浴のみで治癒させることも可能ですが、効果が認められない場合や症状が進行している場合には、カラムナリス菌に感受性のある抗菌剤を使用した薬浴を行ない、容態を観察します。
■その他
健全な魚に感染することはなく、外傷やストレスによって抵抗力の弱くなっている魚に感染するため、ストレスの原因となるような過密飼育はしないようにします。
また水質の悪化を避けるためにこまめな水換えが必要となりますが、その際水温の急激な変化や水質汚染のないように注意するほか、カラムナリス菌の繁殖している可能性のある古いエサや酸化したエサは与えないようにします。さらにカラムナリス菌は感染力が非常に強いため、水槽全体に感染が広がらないよう、感染した魚はすぐに隔離してください。
なおカラムナリス病は進行が早く、時間単位で症状が悪化するため、薬浴用の薬剤を常備しておくことが必要です。
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