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エロモナス感染症(赤斑病、松かさ病(立鱗病)、ポップアイ)
淡水環境中や魚の腸内の常在菌であるエロモナス属菌による感染症です。体表に出血性の赤斑が出現し、エサの食いつきや魚の動きが悪くなるほか、腹部の膨張や眼球突出(ポップアイ)、立鱗症状などが見られるようになります。さらに全身に感染症が広がると内出血や呼吸機能、浸透圧調整機能の低下が起こり、最終的には死に至ります。
■詳細
エロモナス感染症は、淡水環境や魚の腸内に常在菌として存在しているグラム陰性菌の一種、エロモナス属菌によって発症します。エロモナス属には現在4菌種が認められていますが、実際魚類に対する病原性を発揮するものとしてはエロモナス・ハイドロフィラーとエロモナス・ソブリアが特定されており、それぞれが異なる症状を引き起こします。
エロモナス・ハイドロフィラーは鞭毛を持ち、運動する能力を持つことから運動性エロモナスと呼ばれています。水温5~35℃で発育可能で、特に25~30℃の高水温を好んで繁殖するとされ、全身に皮下出血性の赤斑を生じる赤斑病の起因菌であるほか、鱗が逆立ち、松かさ状になる立鱗(松かさ)病の発症に関与していると言われています。
【赤斑病の症状】
・細菌毒素による内出血によって皮膚、ひれに滲んだような赤い模様が発生し、徐々に濃くなる
・動きが鈍くなり、底の方でじっとしている様子が見られるようになる
・エサの食いつきが悪くなったり吐き出したりする
・腹部膨満
【立鱗(松かさ)病の症状】
・うろこが徐々に逆立つ
・体表に充血や出血が認められる
・食欲不振
・腹部膨満
・眼球突出(ポップアイ)
一方のエロモナス・ソブリアは、魚の鱗が剥がれ落ち、真皮や筋肉が露出するようになる穴あき病の起因菌です。鞭毛を持たず、また20℃以下のの比較的低い水温で発育する性質があります。魚の内臓には入り込まないため、そこまで病巣が拡大することはないとされています。
【穴あき病の症状】
・鱗1枚程度の範囲の充血し、徐々に広がる
・鱗の脱落、真皮・筋肉の露出
・浸透圧調整機能の低下、衰弱
■対処法
エロモナス感染症は健全な魚には発症せず、外傷やストレス、水温の急激な変化、水質の悪化などの要因が引き起こす日和見感染症です。そのため、日頃から適切な換水によって飼育水の悪化を防ぐことが大切ですが、換水の際にストレスを与えないよう清掃の仕方や水温には充分注意してください。
また発症した魚は隔離し、抗菌剤による薬浴を行ないます。この時0.3-0.5%の塩浴を併用するといっそう効果的であるとされています。また穴あき病の起因菌であるエロモナス・ソブリアは高温に弱いため、水温を28℃以上に上昇させることも効果的です。
■その他
エロモナス菌によって汚染された魚介類の摂取により、食中毒や下痢症の原因となることが知られています。またエロモナス・ハイドロフィラーは腸管感染症以外に創傷感染し、手足の壊死を引き起こす人食いバクテリアとしても知られています。そのため水槽に手を入れたり魚の世話をした後は、必ず石鹸で手をよく洗う習慣をつけることが必要です。
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