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リンパ腫
白血球の一種であるリンパ球が腫瘍化する病気です。年齢、性別に関係なくすべての動物に発生しますが、特にネコにおいてはもっとも発症率の高い腫瘍であり、また中高齢の犬にも多く発症することが認められています。
このリンパ球は全身をめぐる血液細胞のひとつであるため、全身のありとあらゆる場所で発生する可能性があります。また発生する場所によって症状や治療法、予後などが異なります。
■詳細
リンパ腫とは血液中のリンパ球に起こる悪性腫瘍のことで、リンパ肉腫、リンパ性白血病などの呼ばれ方をされることもあります。いずれの動物においても発症することが知られていますが、特に高齢のネコを中心に多く発症する傾向があるほか、イヌにも比較的多く発症することが知られています。
血液細胞のひとつであるリンパ球の腫瘍化であることから、血液の流れている部位のどこにでも発症するという特性があり、それぞれ症状が異なるためにいくつかの型に分類されています。
多中心型リンパ腫:イヌのリンパ腫の約80%がこのリンパ腫とされています。体表のリンパ節が通常の5倍から15倍にまで腫れ、肩や腋の下、顎、股、大腿部などで触れることができるようになり、肝臓や脾臓、骨髄などにも広がっていきます。また腫大したリンパ節自体は無痛ですが、進行に伴って体重減少、食欲減退、元気消失、発熱といった症状がみられるようになります。
縦隔型(胸腺型)リンパ腫:胸腔内の前縦隔リンパ節や胸腺が腫大します。腫瘤による圧迫、胸腔滲出液貯留(胸水)などによる呼吸困難や発咳、吐出、嚥下障害といった症状が見られ、特に猫白血病ウイルスに感染している若いネコに多く発症する傾向があります。
消化器型リンパ腫:胃や腸間膜のリンパ節が腫大するもので、高齢のネコに多く発症するタイプのリンパ腫です。消化吸収の不良による下痢、嘔吐、体重減少、食欲不振といった症状がみられるほか、腸閉塞のような症状や、腫瘤が破裂して腹膜炎などが起こることもあります。
またこれらのほかにも腎臓、眼、神経、皮膚などに起こる節外型リンパ腫があり、侵されている部位によってさまざまな症状が発症します。
■対処法
リンパ腫は全身性疾患であるため、抗がん剤による化学療法が中心に行なわれます。ただし血液中の腫瘍を完全に除去することは不可能なことから、治療は症状を改善し、動物の生活の質(QOL)を維持しながらの延命を目指したものになります。
一般的にリンパ腫の寛解率は、イヌにおいては約80%以上、ネコでは約70%以上とされています。
■その他
リンパ腫の症状には独自のものが少なく、ほかの病変と似ているものが多いため、診断には鑑別をきちんと行なう必要があります。
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