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疥癬(かいせん)症(トリ類)

小鳥の疥癬(かいせん)症は、体長0.3-0.4mmほどのトリヒゼンダニ(穿孔ヒゼンダニ)によって引き起こされる寄生虫症で、小鳥の外部寄生虫症の中でも最も一般的な症状のひとつです。激しいかゆみが起こることから、小鳥が止まり木やケージの網などに肢や顔をこすりつける様子がみられるようになるほか、ろう膜や目の周り、肢などに白い軽石状のかさぶたのような特徴的な病変が形成されます。感染が進行するとくちばしや爪の変形がすることもあります。


■詳細
トリヒゼンダニは、特にくちばしの付け根にあるろう膜という部分や目の周り、そして肢といった羽毛の少ないところを好んで寄生します。ほかのダニと異なり吸血することはありませんが、これらの部位の皮膚に穴を開けてその中で生存するという性質があり、皮膚に穴を開ける時の刺激や、分泌する老廃物、脱皮物などによるアレルギーなどによって激しいかゆみを引き起こします。そのため小鳥が止まり木やケージの網、または餌入れなどに顔や肢をこすりつける様子がみられるようになります。

また、時間の経過と共にろう膜や目の周り、そして肢などにフケのような白い粉がみられるようになるほか、感染部位が厚く盛り上がり、無数の小さな穴があいた軽石状の感染症独特な白い塊が形成されるようなります。そのまま放置するとくちばしや爪が変形して最終的には脱落したり、くちばしの変形による摂食不全のため衰弱死することもあります。

■対処法
マクロライド系の駆虫薬など、ダニの駆除効果のある薬を定期的に投与します。通常は外用薬による治療が一般的とされていますが、場合によって内服薬や注射剤が使用されることもあります。また、小鳥の疥癬(かいせん)症は接触感染するため、同居の小鳥がいる場合には症状が認められなくても治療を行なう必要があります。

一般に小鳥の疥癬症は数回の治療で完治するとされていますが、著しく変形してしまっているくちばしなどは元に戻らなくなることもあるため、早期の治療が大切です。

小鳥の治療と共に飼育環境を清潔に整える事も必要です。感染した小鳥の止まり木やケージは熱湯で消毒した後、日光に当てて乾燥させます。この止まり木やケージの定期的な消毒は再感染の予防にもなります。

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