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僧帽弁閉鎖不全症(僧帽弁逆流症)
僧帽弁閉鎖不全症(僧帽弁逆流症)とは、心臓の左心房と左心室との境い目にあり、血液の逆流を防いでいる僧帽弁が完全に閉じなくなり、心臓内での血液の逆流が引き起こされるようになる状態のことを言います。特に5歳を超えた中高齢の小型犬に多く発症する傾向があります。
■詳細
人間をはじめとした動物の血液循環は、常に血液が一定方向に流れることによって保たれています。心臓においても、全身循環を終えて心臓に戻って来た血液が右心房から右心室を通って、ガス交換のために肺へと送り出された後、左心房、左心室を経由して再び全身に送り出されるという一定の流れが維持されています。これは、心房と心室との間、そして心室と心室からの血液の流出路との間に存在し、心臓内での血液の逆流を防いでいる弁という組織が正常に機能することによって保たれています。
心臓には4つの弁がありますが、僧帽弁はそのうちの左心房と左心室との間に存在する弁です。この僧帽弁に何らかの異常が生じ、弁がきちんと閉じることができなくなった状態が僧帽弁閉鎖不全症です。発症により、左心房から左心室に送り出された血液の一部が弁の隙間から左心房へと逆流するようになることから、僧帽逆流症とも呼ばれることもあります。
逆流する量の少ない初期のうちは運動時の軽い咳や疲れやすいといった様子が見られる程度ですが、症状が進行するに従って逆流する血液量が増加するようになるため、心肥大や肺静脈のうっ血が引き起こされるようになり、それらに付随する頻度の咳、腹水、肺水種、呼吸困難といったさまざまな症状が現れるようになります。
■対処法
僧帽弁閉鎖不全症を完治させるには、変性した弁の再形成が必要とされています。
しかし現在のところそのような高い技術と高度の設備を兼ね備えた動物病院は非常に少ないため、心臓の負担を軽減する薬剤によって病状の進行を緩慢にし、症状を緩和させることが治療の中心となっています。
なお僧帽弁閉鎖不全症は進行性の病気であるため、投薬は生涯を通じて続ける必要があります。また薬による治療と平行して、食事や生活環境を見直し、心臓に負担のかからない生活を心がけることも大切です。
■その他
僧帽弁閉鎖不全症を予防する方法は現在のところはありません。また初期の段階では症状がほとんど現れない場合も多いため、実際に飼い主が症状に気がついた時点では既に症状がかなり進行しているといったケースも少なくないようです。
しかし僧帽弁閉鎖不全症は聴診器によって心雑音を聞き取ることによって、初期段階から容易に発見することができる疾患です。また、初期段階の適切な治療によって病状の進行を遅らせることが可能であるとされているため、特に発症率の高いとされている5歳以上の高齢の小型犬においては定期検査を受けることが重要となっています。
さらに、心臓に余計な負担をかけないためには、塩分を控えた食生活や体重管理といったように日常生活の工夫も欠かせません。
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