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ショーウィンドーに飾られた純血種のイヌは一体いくらするのでしょうか?純血種のイヌは遺伝性疾患を有することが多く、飼い主にかなりの精神的・金銭的な負担がかかるため、値札の価格よりも相当高くつくものと思ったほうがいいかもしれません。
純血種のイヌはシェルターや避難所でも入手可能
アメリカン・ケンネル・クラブ(AKC)のリストには、約170種類の純血種が登録されており、さらに数十種がAKCリストへの順番待ちリストに並んでいます。珍しい品種も扱っているファンデーション・ストック・サービス・ブリードのリストにおいても同様です。しかし、これらの純血種のほとんどにおいて遺伝性疾患が認められることが多く、軽度から重度の症状を引き起こしたり、時には致死的となる場合もあります。
純血種のイヌの購入先として、さまざまな場所があります。具体的には、評判の良い飼育家や、評判の良いペットショップ、純血種の避難所やシェルターなどが挙げられます。米国動物愛護協会によると、全米各地のシェルターにいる動物の平均25-30%が純血種であると知っている人はほとんどいないだろうとされています。避難所やシェルターであればいちばん良い買い物をすることができ、また、困っている動物を救ってあげることも可能です。
ペット保険会社ペットプランの共同創設者ナターシャ・アシュトン氏は、純血種の子イヌならびに成犬の入手先がどこであるかに関わらず、約500種類におよぶ遺伝性疾患に関連した合併症が存在する可能性について考慮すべきであると述べています。
品種に関連した疾患が1種類か2種類しかないものに、アークテック・ハスキー、フィニッシュ・スピッツ、ノルウェイ・ダンカーフンドなどがあります。
また36種類以上の先天性または遺伝性の疾患が存在し、自分の家族の一員として選んだイヌにも発症する可能性がある品種に、アメリカン・コッカー・スパニエル、イングリッシュ・スプリンガー・スパニエル、ジャーマン・シェパード、ラブラドル・レトリーバー、トイプードル、スタンダード・プードルなどがあります。
人間と同様にイヌの場合でも、にきび、失明、各種がん、心筋症、皮膚炎、糖尿病、てんかん、甲状腺腫、血友病、黒色腫、二分脊椎、血管炎を発症することがあります。
飼い主が直面すると考えられる主な遺伝性の健康障害の一部と、それに関連する品種を以下に挙げます。
アレルギー:
飼い主と同じく、イヌもアレルギーになりやすいとされています。アレルギーを発症する品種には、アメリカン・コッカー・スパニエル、ビーグル、ボストン・テリヤ、ボクサー、チャイニーズ・シャーペイ、ゴールデン・レトリーバー、アイリッシュセッター、ミニチュア・シュナウツァー、パグ、スコティッシュ・テリア、スタンダード・プードルなどがあります。
白内障:
人間と同様に、かなり多くの品種で白内障にかかりやすいとされています。水晶体の構造の変化により混濁が認められるようになり、多くの場合失明に至ります。白内障に罹患するイヌには、アフガンハウンド、アメリカンスタッフォードシア・テリア、ビション・フリーゼ、ドーベルマン・ピンシェル、アイリッシュセッター、アイリッシュ・ウォーター・スパニエル、ラサ・アプソー、パピヨン、オールド・イングリッシュ・シープドッグ、スタンダード・ダックスフントなどがあります。
眼瞼内反:
この病気になるとイヌのまぶたの縁が内側に反転します。この疾患はイヌの大きさとは関係ないことが、以下に挙げる発症したイヌのリストの一部からわかります。秋田犬、バセット・ハウンド、バーネーズ・マウンテンドッグ、ビション・フリーゼ、ブラッドハウンド、カーディガン・ウェルシュ・コーギー、ジャーマン・ワイアーヘアード・ポインター、アイリッシュ・ウルフハウンド、ラサ・アプソー、ニューファンドランド、セントバーナード、シベリアン・ハスキーなど。
股関節異形成:
多数の大型犬品種(バーネーズ・マウンテンドッグ、ブルマスティフ、ダルメシアン、ドーベルマン・ピンシェル、ジャーマン・シェパード、グレート・デーン、コモンドール、ラブラドル・レトリーバー、ニューファンドランド)で変形性の形成異常または股関節亜脱臼が認められます。
血小板減少症:
血中の血小板数が異常に少なくなり、皮膚や粘膜の針穴出血の原因となります。この疾患が特にみられるのはイタリアン・グレーハウンド、ミニチュア・シュナウツァー、ペキニーズ、ロットワイラー、シーズー、シルキーテリア、スイス・マウンテン・ドッグです。
純血種のイヌを選んだからといって、内科的な疾患に苦しむイヌを飼うことになるというわけではありません。ただし、健康問題を抱える可能性に留意し、医療費が高額になった場合に対応できるよう備え、可能であればエサ代や通常の維持費以外にも、医療費として毎月お金をいくらか貯蓄しておくことが賢明です。
ペット保険への加入を選択することもあると思いますが、必ず複数の保険会社を比較するようにしてください。すべてのペット保険会社が遺伝性疾患を有するペットとの契約を結ぶわけではありません。ペット保険は、保険適応の対象となるものや、対象外となるもののリストがあり、免責額や自己負担額もさまざまであるという点において人間の健康保険と同じです。飼い主がペット保険を選ぶ際には、ペット保険レビュー(Pet Insurance Review)というウェブサイトが役立ちます。
イヌを自宅に心温かく迎え入れることは、とても実りある人生経験のひとつとなるでしょう。純血種のイヌを検討している場合は、まず下調べを行ない、選んだイヌが発症しうる遺伝性疾患について調べるようにしてください。
また、純血種の避難所団体やシェルターは、温かい家庭を必要とする純血種のイヌの入手先として最適といえます。