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  • 2016年07月06日

  • 獣医がすすめる市販薬トップ10


  • コラム出典:Top 10 vet recommended over-the-counter meds
    www.petmd.com/blogs/dailyvet/2009/September/09



    飼い主の皆さんはよく勉強していますから、ここで紹介する一般的なペットの市販薬を全部知っている人が多いかもしれません。
    でもこれらの市販薬のこと、すべきこと、してはいけないことについて、もしかしたら(あくまでも、ですが)皆さんの理解をいっそう深めることができるかもしれない…そう考えて今回取り上げることにしました.

    では前置きはこのくらいにして、私が選んだ市販薬トップ10を発表しましょう。でもひとつ気をつけてほしいことがあります。あちこちに書いておきましたが、どの薬も必ず獣医さんに相談してから使うようにしてください。市販薬だから絶対安全、なんてことはありえませんから!

    1. ペプチドAC(ファモチジン)と┅
    2. タガメットHB(シメチジン)
    この2つは胃薬で、ペットの胃酸過多によく効きます。特にイヌによく使います。自業自得と言えばそれまでなのですが、無茶食いしたりして繰り返し胃に負担をかけると、単純性胃炎(胃の炎症)を起こすことがあります。こういう場合に使います。消化管での酸の生成を抑える働きがあります。
    服用量は体の大きさやほかの薬を飲んでいるかどうか、また全身状態などによって変わります。必ずかかりつけの獣医さんから正しい服用量を聞き、了解を得てから飲ませてください。

    3. アスピリン
    私自身は痛み止めとしてはあまり使いません(あまり効果がないですし、胃が荒れますから。副作用が少なく、もっと効く薬がほかにあるようであれば、そちらを使用します)。 でもイヌが痛がっているにもかかわらず、飼い主が遠くにいてすぐに動物病院に来られない場合など、これしか手に入らない、という状況ではアスピリンをおすすめしています。
    原則としてアスピリンは2日以上続けて与えてはいけません。まだ痛がっているようであれば、獣医さんの診察を受けてもっといい薬をもらってください。

    注意: アスピリンと相互作用を起こす、いわゆる飲み合わせが悪い薬は珍しくありません。大丈夫だろうなどと安易に判断しないでください。プレドニゾン、カルプロフェン、メロキシカムはアスピリンと飲み合わせが悪く、重い副作用を起こすおそれがあります(こういう薬はほかにもありますが、一般名はあまりよく知られていないかもしれません)。 気をつけてください!

    薬を飲ませる前に獣医さんに確認してください。また手術を受ける予定のある場合は、直前の数日間は絶対にアスピリンを飲ませてはいけません(私たち獣医の側もうっかりしてこういう問題点をお話するのを忘れてしまうことがあります。ですからこのことを頭に入れておくに越したことはありません)。

    4. 人工涙液(ジェンティールなど)
    目の軽い刺激症状には人工涙液がいいでしょう - 副作用の類は一切ありません。
    ごく軽い結膜炎(軽い涙目や目の周りの発赤)なら、2~3日涙を補ってあげるだけで大抵はすっかりよくなります。ただし白色や黄色、緑色の分泌物が出ている、真っ赤になったりひどく腫れている、また、まばたきしたり目を閉じるときによくわかるのですが、目を痛がったりしているような場合は人工涙液では効果はありません。すぐに獣医さんの診察を受けてください。
    目が痛いときは、辛くて一日だって待っていられないことを覚えておきましょう!

    5. ベナドリル(ジフェンヒドラミン)
    よくあるイヌの皮膚のかゆみやじんましんの出始めにとてもよく効き、気軽に使える薬です。日常の診察で本当によく使います(主にイヌ用として)。ただし副作用がないわけではありません。

    注意: ベナドリルの鎮静効果が強くあらわれ過ぎることがあります。特に精神安定剤や抗けいれん薬を服用しているような場合は注意してください。それからもうひとつ。人に投与する場合と異なり、この薬をペットに与える場合は個体ごとに服用量が大きく違ってきます。いきなり飲ませるようなことはせずに、獣医さんに服用量を確かめ、了解を得てから使用してください。

    6. ネオスポリンとほかの抗生物質入りゲル軟膏
    軽い切り傷やすり傷におすすめです。でも問題もあります。使い過ぎると、本来皮膚が持っている防御機能が弱くなってしまうことも。ごく小さなかすり傷に対して、皮膚を清潔にした上でほんの少量、1日か2日だけ塗るようにしてください。これで充分なはずです。
    これらの軟膏についてもう少し。一般的にはテトラカインやほかの成分の入った、いかにも効きそうな製品を買ってしまいがちです(ただし傷によっては、こういう成分のせいでかえって治りにくくなることがあります)。 またペットはケガをすると傷をなめようとします。嫌なにおいのする軟膏を塗るとよけい気になってしまうでしょう。こういう場合には、においのする軟膏は使わないようにしてください。

    7. ヒドロコルチゾンのスプレー、ゲル軟膏、クリーム
    赤くかぶれたり急性湿疹ができてかゆくて仕方ない時は、市販のヒドロコルチゾンのスプレーやクリームを使うと、まるでウソのようにすっきりします。しかしこれらのスプレーが刺激になってしまうことがあります(大抵はアルコールが入っていることによります)。 軟膏やクリームはよく効きますが、これもペットがかゆみや薬自体を気にしてなめてしまっては何にもなりません。

    8. ジルテック
    この抗アレルギー薬は特に子ネコにおすすめです。ひどいアレルギーに素晴らしくよく効きます(皮膚アレルギーや消化器アレルギーのいずれに対しても)。特に好酸球という白血球がアレルギー反応の主役になっている場合には効果的です。詳細については獣医さんに確認してください。

    9. イモディウム
    この下痢止め薬を推奨する獣医さんは多いようですが、私は滅多にすすめません。通常の下痢なら一回でよく効きます。しかしひどい下痢の場合に、一度で効かないからと何度も与えるようなことは絶対しません。長期間使うと逆に下痢を悪化させてしまうことがあるからです。服用量は獣医さんに確認してください。

    10. グルコサミン
    既にご存じの人もいると思いますが、厳密にいうとこれは薬ではありません(サプリメントのため、FDAの規制は受けていません)。しかしイヌやネコの関節炎にはいちばん効果的だと思います。もちろん市販されていますから、いい製品であればおすすめできます。どの製品をどのくらい飲ませたらいいか、購入の前に必ず獣医さんに相談してください。

    いつものお願いです。ここで紹介した以外に、これは手放せないという市販薬があれば教えてください。