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  • 2013年11月14日

  • 犬型人間と猫型人間 性格の違いは本当にあるでしょうか? ②


  • 最近、オースティンのテキサス州立大学の心理学者サム・ゴスリングとその生徒であるカールソン・サンディが4565人を対象に、自分が犬型人間か猫型人間か、どちらにも該当しないか、それともどちらにも当てはまるかという調査を、インターネットを用いて実施しました。対象者は、心理学者がしばしば人格分析の手段として用いているBig Five personality dimensions(5つの人格局面)の診断材料となる44項目の質問を与えられました。

    犬が猫よりも社交性のある動物であることから、犬が好きな人の性格はより社交的であると推測されるかもしれません。調査の結果は、犬型の人は外交性、適応性のポイントが猫型の人と比較してそれぞれ15%、13%高く、社交的志向が高いというものでした。加えて犬型人間のうちの11%の人が猫型の人と比べて「誠実」であるという結果が出ています。「誠実」とは自己管理ができる、与えられた仕事を終えることができる、目標を達成しようと努力する、といったような性質のことを指しており、突発的に行動するよりも計画性のある行動を好むことを表しています。

    対する猫型の人においては、犬型の人と比較してより神経質であるとされる人が12%ほど多いという結果が出ていますが、同時に犬型の人よりも11%多くの人において「オープン」であるという結果がでています。この「オープン」とは芸術や感情、冒険や斬新なアイデア、想像、好奇心、そしてさまざまな経験に対する許容性の幅が広いことを指し、「オープン」な人は慣習的、伝統的な考えを好む非開放的な人(犬型の人)に対して、型にはまらない考えを持つ傾向があるとされています。

    このゴスリングによる最近の研究は、私が『Why We Love the Dogs We Do(相性のいい犬、悪い犬-失敗しない犬選びのコツ)』(Free Press; 1998)を執筆した際に行なった調査結果を裏付けるものであるように思われます。この調査において私はInterpersonal Adjective Scale(対人特性形容詞尺度)という異なる性格診断方法を使用していますが、それは私の関心が主に社会的交流とその傾向にあったことによります。この性格診断方法は性格を外行性、支配、信頼、温かさ(ゴスリングの判定における「適応性」のようなもの)の4種類の分野において判定するものです。

    私の研究は16歳から94歳までの6149人を対象とました。私は研究の対象にできるだけ多くの犬の飼い主を集めようと試みたため、研究対象となった人の内容は3362人が犬の飼い主、1223人が猫の飼い主、そして残り1564人が犬や猫を飼っていない人です。

    私の調査結果は、ペットとして猫だけを飼っている人の性格は、犬を飼っている人や犬と猫の両方を飼っている人の性格と異なるというものでした。ペットとして犬と猫の両方を飼っている人の性格は、犬を飼っている人の性格により似通ったもののようでした。そのため私がこれ以降に記載する猫の飼い主とは、ペットとして猫のみを飼っている人のことを指し、犬の飼い主はペットとして犬のみ、または犬と猫の両方を飼っている人を指す、ということを覚えておいてください。

    私の得たデータによると、猫の飼い主が一人暮らしをしている割合は犬の飼い主と比べて1/3多く、またアパートやマンションなどで生活している人の数は犬の飼い主の2倍に上ります。結婚、一戸建ての家での生活、子供などは猫よりも犬をペットとして選ぶ要因となることから、実際に猫をペットとして選んでいる人は独身の女性が最も多くなっています。もちろん子供の頃に猫をペットとして飼っていた家庭に育った人においては猫をペットとして選ぶ割合が47%と、子供の頃に犬をペットとしていた人が猫を選ぶ確率の11%と比較して非常に高くなっています。

    猫の飼い主の性格については、ゴスリングの調査の結果と同様のことが言えます。まず、猫のみを飼っている人は比較的内向的(外交的ポイントが低い)な人が多く、冷たい(温かさ、あるいは適応性のポイントが低い)という点が挙げられ、これらはゴスリングによって実施された最近の調査によっても確認されています。

    また猫の飼い主には、支配することにさほど関心を抱かないという傾向がみられます。支配欲の強い人は強引、独断的、執拗、自信家といった言葉で表現され、社会的な会合の場でも目立つ存在です。それに対して支配欲の低い人は内気、はにかみ屋、用心深い、おとなしいといった性質であることが多いようです。さらに、猫を飼っている人は信頼性が高いように見受けられます。信頼性の高さはしばしば、親切、謙虚、実直、潔い人といった言葉で言い表されるため、この信頼性のポイントが低い人は疑い深く、人を操るようなところがあるとされています。

    ゴスリングと私のペットと飼い主の性格における二つの研究によって、犬の飼い主は一般的により社交的で交流を好み、適応性があるということが言えるでしょう。ある人は「犬とうまくやっていくには、よいユーモアのセンスが必要」と言います。その一方で、猫の飼い主(猫のみをペットとして飼っている人)はより内向的で、自制心があり、社会的な交流に重点を置かないといった性質が認められます。犬を飼っている心理学者は、「猫の飼い主が内向的になるのは、猫と一緒に歩くことができないからさ」と話しています。

    おそらく犬の飼い主と猫の飼い主との間でもっとも異なる点は、私が尋ねた質問に対する返答に表されるかと思われます。私は猫だけを飼っている人に「もしあなたに充分な広さの居住空間があり、一生を通じて他人から干渉されることがないとして、誰かから子犬をプレゼントされたら飼いますか?」と聞いてみました。この質問に対し、猫の飼い主の2/3(68%)の人が、おそらく犬をペットとして飼うことはないだろうと返答しています。それに対して、同様の内容で子犬を子猫として質問された犬の飼い主の70%(子犬をペットとすることを拒否した猫の飼い主とほぼ同じ数)は、猫をペットとして飼うだろうと返答しました。この返答の違いは、犬だけを飼っている人は犬と猫の両方をペットとして受け入れる人であり、猫をだけ飼っている人はペットとして猫だけを選ぶ人であるということを示すものだと言えるでしょう。

    私の友達はコーヒーを飲みながら犬型の人と猫型の違いについて、そして最近別れた恋人について話し続けました。

    「最近の研究では、猫型の人間は犬型の人間よりも無神論者だということになっているらしいですね。でもこれは僕の経験においては立証できませんよ。なぜなら猫型の人は彼らの猫を古代エジプト人がファラオを神として崇拝していたように崇めていますからね。僕たち犬型の人間は、犬に対して人間に話しかけるように話すだけですよ」。