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- 2015年01月21日
ペットにおける糖尿病のリスクと治療
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コラム出典: Diabetes Risks and Treatment in Pets
http://vetmed.illinois.edu/pet_column/diabetes-risks-treatment-pets/
犬と猫における糖尿病の有病率は増加しつつありますが、その原因には肥満がかかわっていると思われます。
WHO(世界保健機構)によると、世界中の糖尿病人口は3億4700万人と発表されています。残念ながら、これはペットにとっても一般的な問題でもあるのです、と語るのは、犬と猫の糖尿病と肥満に関する研究の第一人者で、アーバナになるイリノイ獣医学大学の獣医であるマルガレーテ・ホエニッヒ医師。
糖尿病を患う動物は、すい臓で生成されるホルモンであるインスリンの生産が体内でできない、またはインスリンが正しく利用できないために血糖値が高くなります。体内の細胞は糖分(グルコース)を血流から獲得し、エネルギーとして使用するためにインスリンを必要とします。
「インスリンは、エネルギーを生産するために細胞がグルコースに接近することを可能にするホルモンです。このインスリンがなければ、細胞はエネルギー用に蓄積されているグリコーゲン、脂肪、たんぱく質を分解してしまいます」とホエニッヒ医師。「その結果、グルコースを体内で使用することができなくなるため尿として排泄され、急激に体重が減ります」。
糖尿病の臨床徴候は、水分摂取量や排尿の増加、食糧摂取をしているにもかかわらず起こる体重の減少などです。
糖尿病が遺伝する傾向のある犬の種類は、サモエド、ミニチュア・シュナウツァー、ミニチュア・プードル、パグ、そしてトイ・プードルなど、また反対にリスクが低い種類には、ジャーマン・シェパード、ボクサー、アメリカン・ピット・ブルなどがいます。また猫ではメス猫よりもオス猫の方が糖尿病にかかるリスクが高いようです。
人間薬における糖尿病の特徴的な分類は、犬や猫の病気に類似していますが、多くの局面で異なっています、とホエニッヒ医師は述べています。
「人間のI型糖尿病はインスリンを蓄積し、放出するベータ細胞の自己免疫破壊を特徴としています。これは犬においても一般的ですが、I型糖尿病は人間では若年期に発症するために”若年性糖尿病”とも呼ばれている一方で、犬では高齢犬に多くみられます。人間のI型糖尿病と同じく、犬の糖尿病でも生存のためにはインスリン注射が毎日必要です」とホエニッヒ医師は説明します。
「猫の糖尿病も高齢の猫に発症し、II型糖尿病の特徴である不溶性線維性たんぱく質のアミロイドの有無によって病気を判断します」。
II型糖尿病を患う人間は経口非インスリン薬で治療しますが、猫には使用しません。例えば、メトフォルミンは猫ではその有効性が期待できず、またグリピジドおよびグリブリドはごくわずかな猫に対してのみしか有用でないことが証明されています。さらにピオグリタゾンの猫に対する有効性は確立していないため、治療の多くはインスリンが使用されます。
さらにホエニッヒ医師は、「新たに糖尿病と診断された猫の多くは、人間のII型糖尿病とは異なり、血中インスリン濃度が極端に低いことが私たちの研究により明らかになっています。したがって、毎日のインスリン注射が最適な治療方法なのです」と語っています。
犬や猫の治療用に発売されているインスリンにはさまざまな種類があり、どの薬剤と注射による治療計画がもっとも有効かを獣医師が判断して決定します。
「犬と猫における糖尿病発症数は増え続けており、それはおそらく肥満数の増加と関係があると思われます」とホエニッヒ医師。「しかしながら、肥満と糖尿病リスクとの一致が明らかなのは猫だけなのです。体重減少は肥満誘発インスリン抵抗の反対を意味することを覚えておいてください」。
犬の肥満は、長い間糖尿病のリスク因子とは無関係だと考えられていましたが、最近の統計によると、2007年と2012年の間に増加した犬の肥満は37%で、同じ期間に増加した犬の糖尿病は32%でした。つまりこの統計は、犬における肥満は糖尿病のリスク因子についても考慮する必要があることを強く示唆しているのです。
ホエニッヒ医師は、猫の糖尿病発症を低減させるいちばん重要な方法は、ペットが摂取するカロリーの管理について飼い主に教えることである、と思っています。例え飼っているペットが体重過多、肥満、糖尿病を伴う猫であっても、その飼い主は常にエサを与えてしまうため、それが食べ過ぎや体重増加に結びついているのです。
「健康的な生活は人間にとって大切ですが、ペットにとっても重要だと思います。運動、栄養バランスのとれた食事、正常な体重の維持は健康的な生活という観点においてとても重要なのです。獣医師は各自の自由裁量で、正しいペットの飼い方や、犬や猫に”好き勝手に”エサを与えることはよくない、など、飼い主に伝えるべきことが膨大にあるのです」とホエニッヒ医師は語っています。
ペットの糖尿病についてさらに知りたい場合は、かかりつけの獣医師にお尋ねください。
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