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  • 2016年10月26日

  • ネコの肺虫


  • コラム出典:Lungworms in Cats
    http://www.petmd.com/cat/conditions/respiratory/c_ct_lungworms



    ネコの呼吸器寄生虫感染症
    肺虫は寄生虫で、重度の呼吸障害(呼吸困難)を起こします。屋外に出て、歩き回ってげっ歯類や鳥類を捕えるネコは、この種の寄生虫に感染するおそれが特にあります。

    症状と型
    動物の肺に移動する寄生虫には数種類がいます。カピラリア属アエロフィラ(Capillaria aerophila) とエルロストロンジラス属アブストラサス(Aelurostrongylus abstrusus)の2種は、ネコにもっともよく見られる寄生虫です。これらは咳や息切れ(呼吸困難)などの症状を起こすことがあります。

    寄生虫の幼虫は気道で卵からかえり、咳や、ひいては呼吸困難、粘液の滞留を起こします。治療をしなければ、損傷を受けた気道の合併症は肺気腫、肺水腫、さらには肺炎など、もっと深刻な問題につながります。重症例では体重が減少することさえあります。

    原因
    ネコが肺虫に感染するのは、幼虫が生息する水を飲んだり体内に幼虫がいる獲物を食べたりすることが原因です。幼虫はその後血流に乗って腸から肺に移動し、成虫になって40日以内に肺の中で卵を産みます。ネコは卵を喀出(咳をして吐き出すこと)するか便と共に排泄します。外に出た卵を鳥類、げっ歯類、カタツムリまたはほかのペットが食べるかもしれません。

    診断
    ネコの肺虫感染の有無を診断するために、次のような検査を行ないます:
    ・理学的検査(肺聴診)と病歴問診
    ・胸部X線検査
    ・虫卵を検出する糞便検査
    ・全血球計算
    ・肺に貯留した液体の検査(気管洗浄)

    治療
    肺虫は以下のような抗寄生虫薬(駆虫薬)で治療できます:
    ・フェンベンダゾール(Fenbendazole)
    ・アルベンダゾール(Albendazole)
    ・イベルメクチン(Ivermectin)
    ・プラジクワンテル(Praziquantel)
    ・レバミソール(Levamisole)

    これらの薬剤は徐々に肺虫を駆除し、肺虫感染症の治療に役立ちます。二次感染と肺の損傷が起きている重症例では、ネコの回復を助けるために副腎皮質ホルモンや抗生物質のような、ほかの薬剤が必要になることもあります。

    生活と管理
    肺虫感染症は通常長くは続きません。虫体を喀出したり便と共に排泄したりすることで自然に駆虫できることが多いです。その上、処方薬を服用し、肺炎のような二次的な肺疾患に罹っていなければ予後は良好です。
    重症例では、経過観察のためにX線検査や糞便検査を繰り返す必要がある場合もあります。

    予防
    げっ歯類や鳥類、そのほかの動物の体内には肺虫の幼虫がいるおそれがあります。これらの動物に触れさせないよう、ネコは屋内で飼うのがよいでしょう。