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  • 2017年02月08日

  • ネコにおけるミミダニ


  • ネコのミミヒゼンダニ
    ミミヒゼンダニは一般的にはミミダニと呼ばれ、発生頻度が高く、比較的軽度の外部寄生虫感染です。外耳に強い刺激をもたらす免疫の過敏性反応が動物に認められる場合には、合併症が起きる可能性もあります。

    ミミダニに悩まされるネコは、過度に耳を引っ掻いたり頭を振ったりする傾向があり、さらに自分の毛を抜いたり、引っ掻いて血を流したりします。中には、あまりにも頭を振りすぎて耳に血腫(血管が破損し耳に血が溜る)が形成される場合もあります。また、外耳道や鼓膜を傷つけるほど耳を掻くことも考えられます。

    このタイプのダニ症は幼いネコに多くみられますが、どの年齢層にも起こり得ます。このダニは感染力が強いことで知られ、親から新生仔への感染や、異なる種類の動物間での感染が多く(人間には影響を及ぼさない)、体の別の場所にも広がりやすいのが特徴です。

    症状と種類
    * 耳、頭、首のかゆみ
    * 時として全身のかゆみ
    * 耳、頭の周辺の過度の引っ掻き
    * しきりに頭を振る
    * 外耳に赤褐色または黒色の厚いかさぶた
    * 外耳道にコーヒー残渣(かす)様のぶつぶつ
    * 耳の裏側の擦過傷とかき傷
    * 首、臀部、しっぽに鱗屑(りんせつ)とかさぶた

    原因
    * ミミヒゼンダニ(異種間感染)

    診断
    ネコの詳細な病歴と症状の始まりに加え、ほかの動物と通常接触があるか、もしくは屋外で過ごすことがあるかどうかについて獣医に伝えることが必要です。獣医は、化学的血液像、全血球計算値、尿検査、電解質パネルなどの標準的な臨床検査をはじめとする全身の健康診断を行ない、ほかの病気がないかを確認します。

    皮膚の精密検査では、検査分析に用いる皮膚擦過検体が採取されます。耳の拭き取り検体は、ダニを同定するために鉱油の中に置かれる場合があります。また、獣医は耳鏡を使用して外耳道を調べることがありますが、これにより直接耳の中のミミダニを視覚的に見つけることができます。感染によりネコが感覚過敏になるような場合、耳の奥深くを調べるのは困難なので、薬物療法に対するネコの反応によって診断を下すこともあります。

    治療
    感染したネコは、ダニを根絶するよう計画を立てた投薬法に基づき、外来として治療を受けることが可能です。この感染症は非常に伝染しやすいので、同じ家庭内のすべての動物を治療すべきであり、掃除が隅々まで行き届いた環境にする必要があります。ダニは動物の体から離れて長くは生き延びられないため、徹底的な大掃除をすれば問題ないでしょう。

    ネコの耳はしっかり洗浄することが必要です。ネコ用として特別に考案された市販の耳洗浄剤は、耳の局所治療を開始する前にダニの残屑をそっと洗い落とすのに有用です。ミミダニ寄生虫駆除薬は、ダニと卵を根絶するために7~10日間使用する必要があり、耳以外の場所に存在しているダニを根絶するには、ノミの治療をネコに行なってください。ネコはしっぽを頭近くに丸めて眠るため、しっぽも必ずしっかり洗浄してください。

    生活と症状管理
    感染したネコはほとんどの場合において予後は良好です。獣医は治療開始から1ヵ月後に、綿棒によるネコの耳の分泌物の採取のほか、基本的な健康診断を行なうために、経過観察の予約を入れるような予定を組むでしょう。