現在のカートの中
商品数:0点
合計:0円
- 2017年06月21日
イヌの鞭虫を理解する
-
コラム出典:Understanding canine whipworm
http://www.vetinfo.com/understanding-canine-whipworm.html
内部寄生虫には、回虫、条虫、鉤虫がいますが、イヌを侵す内部寄生虫のうち、もっともよくみられる4種類の中でいちばん小さいのが鞭虫です。この名称は、皮のような頭部と幅広い尻尾を持ち、ムチ(鞭)に似ていることから名付けられています。鞭虫はしばしば診断されずにいますが、米国の保護施設のイヌの糞便寄生虫検査で採取された糞便サンプルにおいて、南東部では20%、中西部では16%、北東部では15%に鞭虫が存在しました。なお、鞭虫は人間には感染しません。
鞭虫は、イヌがすべての栄養分を吸収する大腸に潜んでいます。その頭部を大腸組織に埋め込んで血を吸い、卵を大腸内に産みつけ、糞の中に送り込まれます。そして土の中に入り込んで、2-4週間は胚を形成します。つまり、感染は土に由来するものであり、新鮮な糞からではありません。卵は、冷凍にさえ耐性を示し、比較的湿潤な条件であれば、土の中で数年は生き延びることができます。通常、イヌが土に潜む卵と接触すると、グルーミングを通じて体内に摂取されます。
鞭虫の症状
鞭虫の数が少ない場合は無害であり、症状もほとんど出ません。しかし多量になると、血の混じったネバネバの下痢を生じさせるだけでなく、慢性化することもあるので、抑えるのが難しくなります。ほかの症状として、被毛が光沢を失ったり、貧血や突然の体重減以外に、まれに、アジソン病と似た症状で、イヌの体が塩分を保持できなくなるために重篤な脱水症を引き起こし、入院が必要となることもあります。さらに症状がひどい場合は、鞭虫が腸壁を貫通して炎症が生じ、腸が体に癒着するおそれもあるので、もしイヌが頻繁に右脇腹部位を舐めているようであれば、この病状に注意してください。
の鞭虫を検出する
イヌは、感染後約3ヵ月が経過するまで、糞の中に鞭虫を出し始めることはありません。このため、いったん症状があらわれても、通常の糞便検査では鞭虫を検出するのが難しいとされています。鞭虫の成虫は4.5-7.5センチの長さで、そのムチのような独特の形で認識されます。卵は黄色がかった茶色で、なめらかな卵殻を持った樽のような形をしており、メスは1日に2,000個を産卵することができます。
鞭虫の処置
すべての駆虫用製品が鞭虫に効くわけではないため、鞭虫処置にはあまり選択肢がありません。もっともよく用いられるのは、フェンベンダゾール(「パナクールPanacur」)やフェバンテル(「ドロンタールプラスDrontal Plus」)です。鞭虫は成熟周期が長いので(鞭虫は腸内で数年生きることができる)、二回目の駆虫は約75日後に必要となりますが、往々にして忘れてしまいがちです。
イヌの鞭虫を予防する
センチネル(Sentinel)とインターセプター(Interceptor)を含む、いくつかの種類のイヌ糸状虫予防が、現在、鞭虫予防目的で考案されています。イベルメクチンは、高用量で投与されると効果的です。
鞭虫は一般的なイヌの寄生虫ですが、それを特定して処置するのは大変困難です。もし庭に鞭虫がいることが疑われたとしても、それを駆除するのに数年はかかるでしょう。ですから、イヌには駆虫剤を投与し、庭の乾いた砂利やセメントの上にイヌを留め置くようにしてください。そうすれば、イヌは鞭虫と接触することがなくなります。
Copyright(C) United Pharmacies All rights reserved.