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- 2015年11月03日
急性すい炎:食卓に残った食べ物には気を付けて
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コラム出典: Acute Pancreatitis: Be Careful with Those Table Scraps http://vetmed.illinois.edu/blog/pet_column/acute-pancreatitis-be-careful-with-those-table-scraps/
すい炎は、小型の肥満犬に特によくみられます。
かわいいペットの訴えかけるような目には勝てません。チーズがこってりのピザをほんの少し、またはクリームたっぷりのアイスクリームをほんのひとなめくらいなら大丈夫、でしょ?
実際のところ、特にイヌに対して不適切な食べ物を与えることは、悲惨な、場合によっては致命的な、急性すい炎と呼ばれる状況を招くことがあります。
イリノイ大学獣医学部の病理学名誉教授であるマシュー・ウォリグ博士は、すい炎はイヌ、特に肥満の小型犬によくみられる疾患だと言います。
すい炎って何?
すい炎は、小腸に流れ込む腺であるすい臓が炎症を起こした状態です。すい臓には二つの重要な機能があります。ひとつは、血糖値を調節するインスリンとグルカゴンというホルモンを生成。そしてもうひとつは、適切な食べ物の消化のために欠かせない消化酵素をつくり出し、食後すぐに小腸に分泌させることです。
すい臓の問題は糖尿病や発作だけでなく、すい炎をも引き起こすことがあります。すい炎はさらに悲惨な短期疾病で、同じすい臓関係の病気でも治療は容易ではありません。
「すい炎が起こる原因はいくつかありますが、イヌにおけるいちばん大きな原因は、食べ物の脂質やたんぱく質を分解するのに必要な消化酵素を生成・貯留する働きを持つ腺房細胞の過度の刺激です」と説明するのはウォリグ博士。
「動物が食事をするときはいつでも、脳幹と繋がっている神経と消化機能が一連のホルモン変化を引き起こし、腺房細胞が消化酵素を分泌します。これらは上部小腸に到着した後に活性化します」とウォリグ博士。
酵素の渋滞
すい炎は、この細胞が過剰に刺激され、酵素を小腸へと続く管にではなく周囲組織に分泌したときに起こることがあります。
「腺房細胞が活性化され過ぎると、実質的にうっ滞を引き起こします」とウォリグ博士。「小腸からの過剰なホルモン放出はすい臓を刺激し、酵素の分泌に大きな圧力を与えるために管だけでなくあらゆる方面に漏れ出します。そして最終的にこの強力な消化酵素は小腸内ではなく、すい臓を取り巻き、支えている組織内で活性化するのです」。
酵素が活性化すると、本来の役目である分解を開始します。通常であればこの状態は小腸で起こり、酵素は小腸で吸収されやすいように食べ物を小さな粒子に分解します。ところがこれがすい臓で起こった場合は、酵素はすい臓組織そのものを分解してしまうため、組織死を引き起こします。
「これは、脂肪の多い食事を暴食する肥満のイヌに特によくみられます。なぜなら、脂肪の大量摂取は通常のイヌの食生活ではまずありえないことで、そのすべての脂肪が機能を過剰に刺激して負担を与えるために、急性すい炎を引き起こすのです」とウォリグ博士は説明しています。
大抵の場合、人間の食事は脂肪が多く、イヌの食事では通常はみられない成分も含まれています。もし動物に人間の高脂肪の食べ物を与えた、または盗み食いした場合は常にすい炎が懸念されます。急性すい炎はおいしい高脂肪食が大量にある秋や冬のホリデーシーズンに特に問題になります。
致死、有害
「ひどい場合になると、消化酵素が血流に流れて脾臓、肝臓、肺など、多くの体内の器官を傷つけます。そして最終的に肺に液体が溜まり、心臓が正常に機能しなくなることからショックを引き起こし、死に至るのです」とウォリグ博士。
この急性すい炎を乗り切った場合でも、依然として長期にわたる影響をおよぼすことがあり、例えば遊出した酵素により血管だけでなく胆管をも損傷する可能性があります。また高い脂質の食べ物をイヌが食べ続けると慢性すい炎になり、すい臓の瘢痕化や機能衰退を引き起こすこともあります。
「すい炎はペットがデザートパイに興味を持ったときに起こり、そして不幸にも死に至らしめることがあるのです」とウォリグ博士は強調します。
いかなる体型、サイズのペットに対しても、特にその種のために調合された食事だけを与えるべきです。おねだりする目に対してノーと言うのが難しいのと同じくらい、ペットが安心して食べられるおやつを与え、人間のためにつくられた食べ物を決して食べさせないことが重要なのです。
ペットのための食べ物について不明な点があれば、担当の獣医に相談してください。
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