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- 2017年06月13日
ペットの煙吸引の危険性
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コラム出典:SMOKE ALARM: DANGERS OF SMOKE INHALATION FOR PETS
http://vetmed.illinois.edu/pet_column/smoke-inhalation-dangerous-pets/
煙にさらされている動物は早急な手当てが必要
火傷や擦り傷など目に見えるケガだけが、火災に巻き込まれたペットの健康面での心配ごとではありません。目で見てわからなくても、煙への曝露は深刻な結果をもたらすことがあるのです、と話すのは、アーバナにあるイリノイ大学獣医教育病院の救命救急専門医の1人であるエファ・ルウェリン博士。
陸上に棲むすべての動物は生きるために酸素が必要です。ヘモグロビンと呼ばれる血液中の分子は肺から酸素を受け取り、体中の組織に運びます。しかしながら、一酸化炭素を多く含む煙で肺が満たされると、この一酸化炭素がヘモグロビン分子の酸素と入れ替わり、体内の酸素供給を欠乏させます。
煙吸引に対する応急処置
「煙吸引の臨床的症状には、興奮、協調運動障害による歩行、発作、呼吸困難、呼吸数増加、咳、顔のむくみ、斜視、皮膚の火傷などがあります」と説明するのはルウェリン博士。「またもっともひどい場合には、通常より少し静かになったり昏睡状態に陥るなど、精神状態の変化を呈することもあります」。
煙を吸い込んだ動物はすぐに獣医師による応急手当が必要です。迅速な手当てが、回復と長期にわたる障害や死との境目を決めることもあります。
ルウェリン博士は、「治療の中心となるのは酸素治療です。危険な場所から遠ざけた後、火災現場では可能な限りフェイスマスクを通して酸素を供給するのがいいでしょう」と言います。「もし皮膚に火傷の痕跡が見られた場合は、それ以上ひどくならないよう冷たい水か濡れたタオルで該当箇所を冷やしてください。獣医師による迅速な治療がその後の生命を維持させるのです」。
例えペットが元気そうに見えても、獣医の診察を受けさせるべきです。特に煙に曝露した後の24時間は、呼吸困難の臨床的徴候がだんだんと悪くなることがあります。また動物によっては挿管が必要になることもあります。挿管は気道を確保するために口の気管の下にチューブを置く治療方法です。
小規模な火とタバコ
煙吸引の弊害は目に見えず、また後で出現することもあるため、小規模な火の場合は処置をすべきかどうか判断できないことがあります。例えばキャンプファイヤー、キッチンでの些細な事故、燃えている暖炉などの場合は?
ルウェリン博士によると、換気のいい場所で火が管理されている場合は、深刻な被害は起こらないとのこと。
「一酸化炭素の曝露は換気のよくない場所でもっとも多く起こります」と博士。「毒性に関するほかの危険要因には、ガスボイラーやヒーターからの煙の吸引、車の排気ガス、木炭グリルや、車庫内など換気の悪い場所でのガソリン動力の発電機などです」。
パイプやタバコの煙の長期間の吸引も避けた方がいいでしょう。
タバコの煙の吸引と慢性気管支炎
「普段は、タバコの煙によりイヌやネコの急性の臨床的徴候を見ることはありませんが、イヌにおいては、タバコの煙と慢性気管支炎との関係性を示す根拠がいくつかあるのです」と博士。
「慢性気管支炎は、大きい気道で起こる炎症です。いちばんよくみられる臨床的徴候は、耳障りな湿性または乾性の咳です。さらに周囲のタバコの煙とイヌの鼻腔がんや肺がん、ネコのリンパ腫発症との関連性も示唆されています」と語ります。
これの理由により、閉ざされた場所のペットの周囲ではタバコを吸わないことが推奨されています。タバコを口にしてしまったり、ほかのニコチンを含む製品もペットにとっては毒であり、獣医師の迅速な治療が必要です。
喫煙がペットに与える影響に関して質問がある場合は、お近くの獣医師にお尋ねください。
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