×
ポイント!
ホルモンの作用に関係する薬です。使用中にはホルモン値の測定と容態の注意深い観察を忘れずにね。
日本ではアドレスタンの名称で知られているイヌ用のトリロスタン製剤。効果と安全性に優れたイヌの副腎皮質機能亢進症(クッシング症候群)の新しい治療薬です。
ベトリール 5mg (30カプセル)
Vetoryl (Trilostane) - 5mg (30 Capsules)【販売終了】
販売価格(税込): 10380 円
オリジナル商品名 : アドレスタン、べトリール
製薬会社名 デクラ
申し訳ございませんが、只今品切れ中です。
適応症状 :
副腎皮質機能亢進症(クッシング症候群)
商品紹介 :
ベトリールはイヌの副腎皮質機能亢進症(クッシング症候群)の治療薬として2011年に新しく認可された薬です。
有効成分のトリロスタンは、3β水酸化ステロイド脱水素酵素という酵素の働きを阻害する作用を持つ成分で、副腎皮質ホルモンの生成量を抑制し、クッシング症候群に伴うさまざまな症状を改善する効果を発揮します。またトリロスタンの作用は可逆的であり、治療中の副作用が投薬を中断することによって回復するという性質があることから、ほかの薬と比較して使用における副作用の発現が少なく、安全性に優れている点が評価されています。
クッシング症候群とは、副腎皮質から過剰な量のホルモンが分泌されることによって起こる内分泌疾患です。中でも特に高齢のイヌにおける発症率が高く、多飲多尿、多食、左右対称性の脱毛、腹部膨満といった症状を特徴とします。
副腎に形成された腫瘍が原因となる副腎性副腎皮質機能亢進症と、脳の下垂体の腫瘍が原因となる下垂体依存性副腎皮質機能亢進症とに分類され、イヌにおいては後者が8-9割を占めるとされています。
鉱質コルチコイド、糖質コルチコイドといった副腎皮質ホルモンは、イヌの体内のコレステロールが副腎皮質内でさまざまな酵素の触媒を受けることによって生成されます。これらの酵素のうち、トリロスタンの作用する3β水酸化ステロイド脱水素酵素は、副腎ステロイドホルモン生成過程の初期の段階での酸化還元反応に関わっている酵素であり、その作用の阻害は鉱質コルチコイド、糖質コルチコイドの両方の生成におよぶため、結果として副腎皮質ホルモンの過剰な分泌を効果的に抑制し、優れた治療効果をもたらします。
トリロスタンの副腎皮質ホルモンの生成抑制作用は、従来から治療に使用されているケトコナゾールと類似していますが、ケトコナゾールが生体内のさまざまな器官において重要な働きをしているチトクロームP450という酵素に働きかけるのに対し、トリロスタンは副腎や性腺に存在し、ホルモンの生成に関わっている3β-ヒドロキシステロイド脱水素酵素のみを阻害します。そのため、トリロスタンはケトコナゾールと比較して副作用が少ないとされています。
加えて、トリロスタンにはこれまでイヌのクッシング症候群の中心的治療薬として用いられてきたミトタンのような副腎組織破壊作用がないことから、ミトタンの使用において問題視されてきた副腎皮質機能低下症(アジソン病)が起こる可能性も低いとされています。
使用方法 :
使用方法:※下記はべトリールの使用量のガイドラインです。正確な使用量、使用期間は獣医師の指示に従ってください。
投与は体重1.7kg以上の犬を対象とし、初期投与量、減量、維持あるいは増量とも症状により適宜増減し、体重及びカプセルサイズに基づき、至適投与量をエサと共に経口投与します。
初期投与量
犬の副腎皮質機能亢進症治療における初期投与量は、1-3mg/1b (2.2-6.7 mg/kg)を1日1回。体重を元にカプセルサイズの組み合わせで最低投与量から開始します。ベトリールはエサと共に与えてください。
10―14日エバリュエーション後、数値により投与用量を調整します。
- この薬の説明書(日本語訳)はこちら
- 用法・用量
1. 初期投与量
犬の副腎皮質機能亢進症治療における初期投与量は、1-3mg/1b (2.2-6.7 mg/kg)を1日1回。体重を元にカプセルサイズの組み合わせで最低投与量から開始します。ベトリールはエサと共に与えてください。
2. 10―14日エバリュエーションでの処置(表1)
初期投与量でのおよそ10―14日経過後、犬を再検査します。4-6時間のポストACTH刺激試験と血清生化学検査をします。(電解質と腎臓と肝臓機能について特に注意すること)。検査結果が許容範囲である場合、表1に従って下さい。
有害反応(嘔吐、下痢、無気力、食欲不振、食欲減退、虚弱、衰弱あるいはその他いかなる異常)が出た場合は、飼い主の方は治療を中断し、ただちにかかりつけの獣医師へ連絡をとるよう事前に説明を受けるようにして下さい。もし、臨床兆候が見られる場合はACTH刺激試験と血清生化学検査を行い、その場合は電解質と腎臓と肝臓機能について特に注意して下さい。
表1: 10―14日エバリュエーションでの処置 |
ポストACTH 血清 コルチゾール値 |
μg/dL | nmol/L | 処 置 |
< 1.45 | < 40 | 現段階の治療を中止し、量を減らし再開 |
1.45 to 5.4 | 40 to 150 | 同じ成分量で継続 |
>5.4 to 9.1 | >150 to 250 | 臨床症候が安定している場合、同じ成分量で継続、または副腎皮質機能亢進症の臨床症候がまだ明らかである場合、増量する* |
|
>9.1 | >250 | 成分量を増量 |
*カプセルのサイズの組み合わせは決められた服用量より徐々に増量して下さい
3. 個体ごとの服用量の調整と注意深い観察は重要です。
服用量を変更した場合は、その都度10―14日後に再検査とACTH刺激試験と血清生化学検査(電解質と腎臓と肝臓機能について特に注意を払って下さい)を行って下さい。服用量を増量した場合は犬の臨床症候に注意を払って下さい。
一日1回の投与が推奨されています。しかし、もし臨床症候が終日管理できない場合は、一日2回の投与が必要とされるかもしれません。一日1回から一日2回へ変更する場合は、一日の投与量の合計を2分割し、12時間空けて投与して下さい。かならずしも投与量を等分割する必要はありません。該当する場合は、朝に投与量を多くし、夕方の量を少なくして下さい。例えば、合計が90mg の場合は朝に60mg、夕方に30mgとなります。
4. 長期間のモニタリング
適量が決まったら、犬を30日、90日、その後は3ヵ月毎に再検査して下さい。最低でもこのモニタリングには以下が含まれるべきです。
• 詳しい病歴と健康診断
• ACTH刺激試験(ベトリール投与後4―6時間後に行って下さい)、電解質異常の有無にかかわらず、コルチゾールのポストACTH刺激試験結果が<1.45 μg/dL (<40 nmol/L)の場合は、副腎皮質機能亢進症の臨床徴候の発達につながるかもしれません。
• 血清生化学検査(電解質と腎臓と肝臓機能について特に注意を払って下さい)
よくコントロールされている場合は良好な臨床徴候とともにポストACTH血中コルチゾル濃度1.45-9.1 μg/dL (40-250 nmol/L)となります。
もしACTH刺激試験が<1.45 μg/dL (<40 nmol/L)、あるいは副腎皮質機能亢進症(高カリウム血症低とナトリウム血症)の特徴である電解質の不安定が見られる場合は、ベトリールは低用量で再指示されるものとなります。
禁忌:
トリロスタンに過敏症のある犬へはベトリールを使用しないで下さい。
原発の肝疾患あるいは腎機能不全のある犬には使用しないで下さい。
妊娠している犬には使用しないで下さい。研究においてトリロスタンを使用した動物実験に奇形と早期流産が示されました。
警告:
副腎皮質機能亢進症は、ベトリールのどんな量においても発達することが可能です。
個体によっては副腎の機能が戻ることは何ヵ月もかかるかもしれません、そして、十分な副腎機能の回復が見られない場合もあり得ます。
すべての犬は病歴と健康診断をベトリールによる治療を開始する前に受けて下さい。その他の場合例えば、副腎皮質機能亢進症の症状(嘔吐、下痢、食欲不振、食欲減退、体重減、無気力)に加え、病気の症状が見られる場合は、原発の肝疾患あるいは腎疾患が考慮されるべきです。血液と血清生化学の基本データを確立する臨床検査は、投与前そしてベトリールを投与されている間定期的に行われるべきです。
飼い主は犬に薬物毒性の徴候が観察される場合は直ちに治療を中止して、獣医に連絡するよう勧められなければなりません。
過剰投与の場合には、副腎皮質ステロイド、ミネラルコルチコイドと静脈内補液による副腎皮質機能低下症の対症療法が必要となる場合があります。
アンジオテンシン変換酵素(ACE)抑制剤をベトリールと併用投与する場合は、双方にアルドステロンを低くする影響があり、正常な電解質、血液量と、腎かん流の正常な働きを妨げる添加物となり得るため慎重に行って下さい。
カリウム保持性利尿薬(例えばスピロノラクトン)とベトリールの併用は避けてください。双方にアルドステロンを妨げる可能性があり、高カリウム血症の可能性を増やします
人体に対する警告:子供の手の届かない場所に保管して下さい。人間薬ではありません。
使用後は手を洗って下さい。カプセルを開けたり、分割しようとしないで下さい。妊娠またはその可能性がある場合は、カプセルの取り扱いは行わないで下さい。
トリロスタンは、実験動物において催奇形の影響と妊娠初期の流産と関連があることが認められています。
偶然の摂取/の過剰投与の場合、すぐに医師の受診を受けて下さい。その際はラベルのついた容器を持参して下さい。
注意:ミトタン(o,p’-DDD)治療は、副腎の機能を減少させます。。
海外の市場での経験よりミトタン治療が中止される際には、ベトリール投与の前に少なくとも1ヵ月の間隔を空けることが推奨されています。副腎皮質機能亢進症の臨床兆候の再発と> 9.1 μg/dL (> 250 nmol/L) のポストACTHコルチゾール値であることをベトリール投与開始前に待つことは重要です。ミトタンで治療を受けていた犬はベトリールに対しより反応しやすい可能性があるので、腎機能に対して慎重なモニタリングが推奨されます。
ベトリールの使用は副腎腫瘍そのものに影響を及ぼしません。副腎摘出は、適応した手術候補者のオプションの一つと考慮されるべきです。この医薬品の安全使用について授乳中の雌犬と繁殖予定のある雄犬について査定されていません。
副作用:
・ 報告される最も一般的な副作用
食欲不振、食欲減退、嘔吐、無気力、倦怠感、下痢と虚弱です。
・ 重大な反応
ひどい鬱、出血下痢、倒れる、低副腎皮質の危険または副腎の壊死や断裂が起こる可能性があります。死に至ることがあります。
Approved by FDA under NADA # 141-291
Manufactured for: Dechra Veterinary Products
7015 College Boulevard, Suite 525
Overland Park, KS 66211 USA