フェノバルビタール Phenobarbital
成分説明
脳にある脳幹網様体と呼ばれる構造に作用し、抑制性の神経伝達物質であるGABAの働きを増強するするバルビツール酸系催眠薬です。作用の発現が遅く、長時間作用するため抗てんかん薬や鎮静薬として利用されています。
フェノバルビタールは1回の投与で長期間にわたってその効果が持続するため、主にてんかん治療として古くから利用されてきました。しかし過投薬されやすい傾向があり、昏睡状態を含めた重度の中毒症の発生が報告されていること、また新しいてんかん治療薬が次々と開発されたことなどから、現在では人間に対するてんかん治療薬として利用されることは少なくなってきています。
その一方で、犬や猫に対しては比較的安全であることが認められており、7-8割のてんかん症状を効果的に管理することができるといわれています。そのため動物医療の分野においては単剤、多剤療法を含め、依然として第一選択薬として広く利用されています。
成分分類
抗てんかん薬
適応
てんかん
副作用
多飲、多尿、食欲亢進、運動性低下、肝毒性
注意事項
長期的使用による肝障害が報告されているため、定期的な血清中濃度の測定が必要です。
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