ヒドロコルチゾン Hydrocortisone
成分説明
ヒドロコルチゾンは、生体内で生成される糖質コルチコイドというステロイドホルモンを人工的に合成したものです。炎症を促進する化学物質の産生を阻害することによる優れた抗炎症作用があります。
生体における炎症反応は、障害を受けた組織で産生されるプロスタグランジンやロイコトリエンといった化学物質が免疫機能を稼働させることによって発生します。これらの化学物質は細胞膜を構成しているリン脂質という物質が細胞膜から遊離し、分解されることによって産生されますが、酢酸ヒドロコルチゾンにはこのリン脂質が細胞膜から遊離することを阻害し、化学物質の産生を根本から遮断する作用があります。この働きにより、炎症症状を発現させる血管透過性の亢進や、炎症を促進する白血球の働きを抑え、強力な抗炎症作用を発揮します。
なお、外用薬に配合されているステロイド成分はその強度により5段階に分けられていますが、ヒドロコルチゾンはその中ではいちばん強度の弱いものとされています。
成分分類
点眼薬 ステロイド薬
適応
抗炎症
副作用
全身性:多飲症、多尿症、体重増加、胃、十二指腸障害、肝障害、副腎機能低下(クッシング症候群)、易感染性
局所使用:皮膚の過敏症反応(発疹、かゆみ、丘疹など)、灼熱感、皮膚の乾燥、皮膚の菲薄化、脱毛
注意事項
獣医師に指示された量・期間を守り、長期的に漫然と使用することはしないで下さい。
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