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イヌの副腎皮質機能低下症(アジソン病)の治療薬。25日間隔で投与することによって、正常な循環血液量や電解質バランスを維持します。
ザイコータル注射液 (4mL)
Zycortal prolonged-release suspension for injection for dogs (Desoxycortone Pivalate) - 25mg/mL (4mL)
販売価格(税込): 23350 円
オリジナル商品名 : パーコーテンV 注射液
製薬会社名 デクラ
適応症状 :
商品紹介 :
ザイコータル注射液は、イヌの副腎皮質機能低下症(アジソン病)のホルモンの補充療法に使用する注射液です。ホルモン欠乏に伴う電解質や水分量の異常を正常化し、血流の改善や血圧の上昇、そして低下している心・腎機能を改善する作用によって、症状の良好な状態を維持する効果を発揮します。
腎臓の側に位置し、生体の恒常性を維持するためのホルモンを産生・分泌している臓器が副腎と呼ばれる臓器です。アドレナリン(エピネフリン)やノルアドレナリン(ノルエピネフリン)、そしてドーパミンといったカテコールアミンを分泌している中央部の髄質と、その髄質の外側に存在し、副腎皮質ホルモンと呼ばれるステロイドホルモンを分泌している皮質とで構成されていますが、この副腎皮質が免疫防御反応の不適切な活性化などによって破壊され、内分泌器官として機能が低下してしまった状態が副腎皮質機能低下症です。
その多くが免疫介在性による原発性/特発性であるとされていますが、中には感染症や腫瘍、副腎皮質機能亢進症(クッシング症候群)の治療などによる副腎皮質の損傷が原因となることもあります。症状としてはホルモンの欠乏に伴う電解質異常や活動力の低下、食欲不振、嘔吐、体重減少、下痢、振戦、多飲・多尿といったようなさまざま症状などが挙げられるほか、場合によってはアジソンクリーゼと呼ばれる重度なショック状態を引き起こし、瀕死状態に陥ることもあります。
副腎皮質機能低下症の治療は、ほかの内分泌疾患と同様に不足したホルモンを補充するホルモン補充療法が取られます。副腎皮質で産生・分泌されるホルモンには、体内の水分量や電解質のバランスを維持することによって血液循環や正常な血圧を維持する働きのある鉱質コルチコイド(ミネラルコルチコイド)と、栄養素の代謝などに関与している糖質コルチコイド(グルココルチコイド)とがありますが、特に鉱質コルチコイドの欠乏による電解質異常は循環血液量の減少や心筋の興奮性の低下による心筋不応期の延長、伝導遅延、腎前性高窒素血症などによるアジソンクリーゼにつながりかねないことから、その補充は副腎皮質機能低下症の治療において欠かせないものとなっています。
この鉱質コルチコイドの補充薬として高い有効性が認められているのがザイコータル注射液です。筋肉内に注入・貯蔵された有効成分のピバル酸エステル・デスオキシコルチコステロンの微結晶体が徐々に放出され、発症に伴い低下している腎臓の細尿管におけるナトリウムの再吸収やカリウム排泄を促進することによって、低血圧や循環血液量の減少、電解質不均衡を改善し、症状の良好な状態を維持する効果を発揮します。
副腎皮質機能低下症を発症した場合は生涯の投薬が必要となりますが、その予後はよく、治療によって通常は寿命を全うできるとされています。
使用方法 :
ザイコータル注射液は獣医師の指示・監視下で犬の皮下注射のみとして使用して下さい。
- この薬の説明書(日本語訳)はこちら
- ザイコータル注射液(デオキシコルチコステロン・ピバル酸塩 懸濁注射剤)
犬の皮下注射のみに使用
ミネラルコルチコイド
【注意】連邦法(米国)において、本医薬品の使用は、獣医師免許保有者またはその指示による場合のみと制限します。
【解説】デオキシコルチコステロン・ピバル酸塩は、ミネラルコルチコイド・ホルモンです。化学的には、デオキシコルチコステロン・ピバル酸塩は、21-(2,2-ジメチル-1-オキソプロポキシ)プレグナ-4-エン-3,20-ジオン です。分子式は、C₂₆H₃₈O₄ です。
ザイコータルは白色の水性懸濁注射液です。1ミリリットル中25mgのデオキシコルチコステロン・ピバル酸塩を含んでいます。不活性成分は、メチルセルロース 10.5mg、カルボキシメチルセルロースナトリウム 3mg、ポリソルベート60 1mg、塩化ナトリウム 8mg、クロロクレソール1mg、水 です。
【適応】主として副じん皮質機能低下症(アジソン病)をもつ犬のミネラルコルチコイド不足のための置換療法として使用。
【投薬量と投与法】毎回使用の前に完全に再懸濁するよう容器を振ってください。
ザイコータル注射液はミネラルコルチコイドホルモンのみを補充します。
グルココルチコイドとミネラルコルチコイド欠乏の犬はプレドニゾンまたはプレドニゾロンでも初回投与量、体重1キロ当たり一日0.2-0.4mg(0.1-0.2mg/lb/日)で治療されなければなりません。
ザイコータル注射液は反応をみながら周期的な長期の投与を目的としています。ザイコータル注射液と同時に行われているグルココルチコイド補充療法の1回の服用量は犬ごとの臨床反応とナトリウムおよびカリウム濃度の正常化を元に合わせて調整して下さい。
【ザイコータル注射液の初回投与量】初回量は体重1kgに対し2.2mgです。(1mg/lb)皮下注射で投与して下さい。
【経過観察】デオキシコルチコステロンの最高血中濃度到達時間となる初回投与よりおよそ10日後に、犬を再検査し血清ナトリウム/カリウム比率(Na+/K+ 比率)を測定します。(臨床薬理学を参照下)もし、犬の臨床徴候が悪化もしくは改善されていない場合はプレドニゾン/プレドニゾロンの投与量を調整、もしくはその他の臨床徴候の原因となるものを調べてください。
【ザイコータル注射液の第2回投与量】最初投与のおよそ25日後に犬を再検査しナトリウム/カリウム比率(Na+/K+ 比率)を測定します。
•もし、犬が25日目に臨床的に正常で、正常なナトリウム/カリウム比率を持っている場合は、以下の表1の10日目のナトリウム/カリウム比率を参考に投与量を調節して下さい。
•もし犬が25日目に臨床的に正常で、ナトリウム/カリウム比率が> 32の場合、以下の表1の10日目のナトリウム/カリウム比率を参考に投与量を調節するか、投与を延期して下さい。(投与間隔の延長を参照)
•犬が25日目に臨床的に正常でなく、または、ナトリウム/カリウム比率がに異常がある場合、プレドニゾン/プレドニゾロンまたはザイコータル注射液の投与量を調整して下さい。(その後の投与量および長期管理を参照)
表 1: 第25日: ザイコータル注射液2回目の投与量 |
第10日における Na+/K+ の比率 | 第10日に2回目の投与をしないこと | 初回投与より25日経過したザイコータル注射液の投与量 |
> 34 | 1キロ当たり 2.0 mgへ減らす |
> 32 to 34 | 1キロ当たり 2.1 mgへ減らす |
27 to 32 | 1キロ当たり 2.2 mgで継続 |
24 to < 27 | 1キロ当たり 2.3mgへ増やす |
24 < | 1キロ当たり2.4mgへ増やす |
【投与間隔の延長】犬が25日目に臨床的に正常で、ナトリウム/カリウム比率が> 32の場合、表1で定める服用を調節する代わりに、投与間隔を延長することができます。ナトリウム/カリウム比率が<32となるまで、電解質を3-7日おきに検査し、その後、ザイコータル注射液を体重1キロ当たり2.2mgで投与して下さい。
【その後の投与量および長期管理】犬が臨床的に正常でなく、ナトリウム/カリウム比率がに異常がある場合、その後の投与量に関して以下のガイドラインに従って下さい:
• 多尿症/多渇症の臨床徴候: 最初にプレドニゾン/プレドニゾロン投与量を減らして下さい。多尿症/多渇症が持続するならば、ザイコータル注射液の投与量を投与間隔を変えることなく、減らして下さい。
• 落ち込み、無気力、嘔吐、下痢または虚弱の臨床徴候: プレドニゾン/プレドニゾロンの投与量を増やして下さい。
.•高カリウム血症、低ナトリウム血症またはナトリウム/カリウム比率が< 27の場合:ザイコータル注射液の投与間隔を2-3日減らしてください。
• 低カリウム血症または高ナトリウム血症: ザイコータル注射液の投与量を減らして下さい。
ストレスの多い状況の前に、一時的にプレドニゾン/プレドニゾロンの投与量を増やすことを検討して下さい。
【禁忌】過去にデオキシコルチコステロン・ピバル酸塩に過敏性反応があった犬にはザイコータル注射液を使わないでください。
【警告】うっ血性心臓病、浮腫、重い腎臓病または原発性肝不全の犬へのザイコータル注射液の使用は慎重に行って下さい。デオキシコルチコステロン・ピバル酸塩は、多尿症、多渇症、血液量の増加、浮腫と心臓拡大を引き起こす可能性があります。過度の体重増加は、ナトリウム貯留に続いて、体液鬱滞を起こす可能性があります。
妊娠している犬へはデオキシコルチコステロン・ピバル酸塩を使用しないで下さい。
【人体への警告】 人間用ではありません。本剤ならびにすべての薬剤は子供の手の届かない場所へ保管してください。誤って本剤に触れた場合は、医師の診断を受けて下さい。
【予防措置】重度の血液量減少症、脱水、腎前性高窒素血症、組織内かん流不足組(アジソンクリーゼ)を呈し犬には、ザイコータル注射液での治療を始める前に、静脈内輸液(生理食塩水)による治療で脱水症状より回復させなくてはなりません。
カリウム保持性利尿剤(例えばスピロノラクトン)が並行して投与されている場合は、ザイコータル注射液の効果は減少することがあります。
【有害反応】
152頭の犬がフィールド安全調査に含まれました。有害反応は表2にまとめてあります。
表 2:フィールド調査における副作用の出た犬の割合 |
副作用 | ザイコータル注射液 (n = 113 犬) | 実対照薬 (n = 39 犬) |
多尿症 | 15.0% (17) | 12.8% (5) |
多渇症 | 13.3% (15) | 15.4% (6) |
落ち込み/無気力 | 9.7% (11) | 2.6% (1) |
不適切な排尿 | 8.0% (9) | 10.3% (4) |
脱毛症 | 5.3% (6) | 5.1% (2) |
食欲減/食欲不振 | 4.4% (5) | 2.6% (1) |
浅速呼吸 | 3.5% (4) | 0.0% (0) |
嘔吐 | 3.5% (4) | 0.0% (0) |
下痢 | 2.7% (3) | 7.7% (3) |
震え/振戦 | 2.7% (3) | 2.6% (1) |
多食症 | 1.8% (2) | 2.6% (1) |
尿路感染 | 1.8% (2) | 0.0% (0) |
尿失禁 | 0.9% (1) | 2.6% (1) |
落ち着きのなさ | 0.9% (1) | 2.6% (1) |
蕁麻疹/顔面浮腫 | 0.0% (0) | 5.1% (2) |
以前よりグレードIII/VIの心雑音ある犬が初回投与後17日で心不全を起こしたため、ザイコータル注射液の調査より外されました。現地調査の間、報告される有害反応に加えて、デオキシコルチコステロン・ピバル酸塩注射液承認後の副作用報告には、アナフィラキシーと貧血が含まれています。副作用の疑いのある場合、技術援助、安全性データシート(SDS)の複製の入手はDechra (866) 933-2472までご連絡下さい。詳しい動物用医薬品副作用レポートについては、FDA、1-888-FDA-VETS または、次のURLからお問い合わせ下さい。http://www.fda.gov/AnimalVeterinary/SafetyHealth.
【臨床薬理学】デオキシコルチコステロンはアルドステロンに似た主に硬質コルチコイド活性による副腎皮質ステロイドです。腎臓においてデオキシコルチコステロンは、ナトリウムと塩化物イオンの滞留、水素とカリウムイオン排出を生じさせ浸透圧勾配を生み出します。浸透圧勾配は尿細管から 水分吸収を促進し、その結果、細胞外液の量を増量させ血液膨張へと導き静脈還流を改善し心拍出量を増やします。体重1kgにつき11mgの(標識化された開始/初回投与量2.2mg/kgの5倍)のザイコータル注射液の皮下投与の後、血漿中半減期(±標準偏差を意味します)は、およそ17±7日で、最高血中濃度(Cmax) は13.2±5ng/mL、最高血中濃度到達時間(Tmax) は10±3.5日となります。
【有効性】: 二重盲検、複数開催地、180日の現地調査でザイコータル注射液の有効性 FDA認可のデオキシコルチコステロン・ピバル酸実対照薬と比較され審査されました。152頭の様々な犬種、年齢半年から12年3ヶ月、体重0.95-61.2 kgが登録されました。113頭の犬へザイコータル注射液、39頭に実対照薬が使われました。どちらのグループにも初回2.2 mg/kg(体重)が投与されました。続く投与やその頻度は犬ごとの臨床の必要性により調整されました。臨床的に正常を保ち、基準値と比べて臨床兆候が改善した場合、またはNa+とK+濃度が分析者の参照範囲内、あるいはNa+とK+の比率が27-32だった場合、犬は処置成功とみなされました。ザイコータル注射液の成功率は86.2% 、90 日並びに180日はそれぞれ88.3% 、実対照薬の成功率は85.1% 、90 日並びに180日はそれぞれ86.9%でした。ザイコータル注射液最終平均投与量は1.9±0.27mg/kg (1.2-2.5mg/kgの範囲)、最終平均服用間隔は38.5±12.5日(20-99日範囲)でした。大多数の犬の投与間隔は20から46日間となりました。
【アニマルセーフティー】臨床検査では、ザイコータル注射液は32頭(8頭からなる4つのグループ)のビーグル犬へ標識化された開始量(1X = 2.2mg/kg)の0、1、3、5倍を6ヵ月間21日おきに1回、合計9回皮下注射されました。注射された数3X と 5Xの犬は均等に3と5の現場へそれぞれ振り分けられました。1Xグループの犬は単回注射の現場で投与されました。管理犬(0X)は0.9%の塩化ナトリウムを5X投与に等しい量で受けました。
最も顕著に現れた異常臨床観察は犬の注射部位反応で紅斑と浮腫が見られました。ザイコータル注射液治療に関連があると思われる臨床病理学調査結果は、以下を含みました: 3X ならびに 5Xにおける平均赤血球容積の減少;すべてのグループにおけるグロブリン濃度の上昇;すべてのグループにおけるカリウム濃度の減少;すべてのグループにおけるナトリウム濃度の上昇;3Xグループにおける塩化物濃度の現象;すべてのグループにおける血中尿素窒素濃度の減少。
治療に関連すると思われる検死調査結果統計は、以下を含みました:組織学的に一致する血管中膜過形成を伴う被膜下と皮質の腎嚢胞;および肉芽腫性炎症と組織学的に一致する注射部位皮下組織の不規則な白斑。治療に関連すると思われる追加の組織学調査結果は、以下を含みました:腎臓皮質の慢性炎症、皮質の管状好塩基性、皮質の管状拡張、糸球体症(3Xと5Xグループ)そして、副腎腺空胞化(球状帯)。
【保管について】室温15-30℃(59-86°F)の間に保たれた環境で25℃(77°F)で保管して下さい。
凍らせないで下さい。開封後120日以内に使用して下さい。
【包装】ザイコータル注射液は、透明なガラス小びん入りで100mL中デオキシコルチコステロン・ピバル酸塩25mgを含有しています。
NADA 141-444(FDA承認)
NDC 17033-382-04
【製造発注者】Dechra Veterinary Products
7015 College Boulevard, Suite 525, Overland Park, KS 66211
本品はイギリス製です。
ザイコータル注射液は、Dechra社の商標です。著作権所有。