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  • 2017年01月25日

  • イヌの呼吸不全


  • コラム出典: Respiratory failure
    http://www.vetinfo.com/respiratory-failure-in-dogs.html



    イヌの呼吸不全は重篤な疾患であり、考えられる原因にはいろいろあります。くしゃみのような症状は普通のことなので心配はいりませんが、荒い息遣いや異常呼吸などの症状は、呼吸器系合併症または呼吸不全の所見といえます。

    イヌが呼吸器疾患や呼吸困難を生じる理由はいくつかあります。呼吸器系合併症の原因となる内科疾患を取り上げ、具体的に説明すると次のとおりです。

    ボルデテラ
    イヌの呼吸器疾患の主な原因に、ボルデテラすなわちケンネルコフ(伝染性気管支炎)があります。これは軽度ながら感染力が極めて高い疾患で、適切に治療しないとボルデテラから気管支肺炎、または慢性気管支炎に進展することがあり、生命にかかわることもあります。ワクチン接種による予防が可能ですが、考えられる疾患原因が多すぎることから、必ずしも効果があるとは限りません。気温、湿度、ストレスなどが発症リスクを高める原因です。また、イヌを閉鎖的な場所に閉じ込めたままにすると有害な細菌を吸い込むことがあり、リスクが増加します。

    肺炎
    肺に炎症を起こす肺炎もまた、イヌの呼吸不全の主な原因です。一般に、肺炎は細菌感染症または真菌感染症のことで、ひどい咳を引き起こし、異常呼吸や食欲不振が認められ、発熱やうつ病が生じます。

    感染症
    イヌの呼吸困難の原因は、真菌感染症によるものが多いようです。感染症には数種類あり、くしゃみ、鼻痛、努力性呼吸、エネルギー欠乏などの症状を引き起こします。

    がん
    呼吸器系のがんは、イヌの呼吸困難の原因としてはまれです。呼吸器系のがんは副鼻腔内にもっとも多く認められ、これが肺の腫瘍増殖につながるため、身体のほかの部位へ転移しやすくなります。

    気管虚脱
    イヌが気管虚脱の場合には、吐き気、咳、息切れがみられます。特に、高齢犬や小型犬種が発症しやすいとされています。このリスクを高める要因には、遺伝的特質、障害、出生時欠損、軟骨変質などがあります。

    喘息
    イヌの喘息は極めてまれですが、肺に液体が溜まってけいれんが始まると、努力性呼吸や呼吸困難が生じ、肺に酸素を取り込みにくくなります。イヌの喘息は、喘鳴、咳、息切れの原因となるので、発症した場合には即座に治療を受けさせてください。

    まひ
    喉頭まひは、喉頭がまひした場合に生じるもので、一般に咽頭の神経機能障害から発生します。喉頭まひにより重篤な呼吸器疾患が生じ、呼吸器系のさらなる損傷につながることもあります。原因としてはボルデテラ菌のほかに、過度に吠えることや、慢性の息詰まりなどによる可能性が考えられます。また主な症状には、荒い息遣い、咳、息詰まり、嗜眠(軽度な意識障害)、 吐気、呼吸不能などがあります。

    獣医による受診
    呼吸器疾患または呼吸困難の症状がイヌにあらわれた場合には、すぐに獣医の適切な診断と治療を受けさせてください。