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  • 2011年12月01日

  • イヌの関節疾患でわかっていること


  • 関節疾患は多くのイヌを襲います。変形性関節炎の痛みが続いて苦しんでいるイヌは現在1000万匹いると言われ、この先も発症数は増えると推測されています。

    関節を構成する骨の骨端は可動性があり、軟骨に覆われて保護されていますが、この軟骨が失われることで起こるのが変形性関節炎です。軟骨には神経がないため、関節を動かしても痛みを感じることはありません。
    しかし軟骨が徐々にすり減り、破壊されてなくなることで骨が露出すると、関節を動かすたびに骨端が互いにこすれるために痛みと炎症が起こります。

    関節疾患の原因

    関節疾患は軟骨の摩耗と破壊の結果起こると考えられ、イヌが高齢になるほど発生率が高くなると言われています。また肘関節や股関節の形成異常症や、そのほかの原因で起きることもあります。

    イヌの関節疾患の症状と診断

    関節疾患の症状は、発症した関節、重症度、またイヌの年齢によっても異なり、一般的には以下のような症状がみられます。

    ・痛む部分をかばってほかの四肢に体重をかけるため、歩き方がおかしくなる
    ・関節炎を起こした四肢はあまり使わなくなるため、筋肉が小さくなり、筋肉の萎縮が起こる
    ・体が硬くなったように見え、立ち上がるのが難しくなるほか、車に飛び乗ったり、階段を上り下りしたりするときなどに跳び上がれなくなることもある
    ・痛みの強さにより、食欲が減り、習性が変わる
    ・イヌの多くは、痛む部分をなめたり噛んだりする。また暖かい場所を探して体を休める場合もある

    病歴を分析し、徹底的な理学的検査を行なって初めて変形性関節炎と診断できます。その後、臨床検査や発症した関節のX線撮影などの精密検査を行ないます。

    変形性関節疾患の治療

    変形関節性疾患は内科的または外科的に治療しますが、股関節形成異常症に伴う股関節置換などのように、手術が唯一の治療方法である関節疾患もあります。
    手術に続いてほかの治療も行ないますが、手術で状態が改善するかどうかが成功の鍵を握ります。

    イヌの関節疾患は時間と共に悪化していきます。しかし適切な薬剤を与えれば疾患の進行を遅らせることができ、治療がよく効けば快適な生活を続けることもできます。重症例では手術するしかありませんが、手術すればたいていの場合は回復します。